熊野SUPマラソン

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カリフォルニアから帰国した二日後、熊野SUPマラソンの為7時間かけて世界遺産でもある三重県熊野へ移動。いつも運転してくれるSICの山内さんには本当に感謝です。

このレースが無ければ人生で一度も行かない場所だったと思います。東京からは遠いし縁が無い。でもたどり着けばここには南伊豆やハワイのように山、そしてパワフルな海があります。フラットに見えてもカレントや潮の流れが速かったり。今回のように台風のうねりが入ると風がなくても地形から生まれる「生きている」海。

フラットの中漕ぐのも気持ち良いが、このように生きている大自然の中で漕ぐことに凄く魅力を感じます。人間が大自然に出るとどれだけ無力か。自分の体とパドルだけでどれだけ海と調和できるか。このような技術はアウトリガーカヌーをここ7年間沢山の海で磨かれましたがそれでもまだ毎回学ぶことが沢山あります。

このような「海」では、制覇しよう。海に負けない、勝とう!これはチャレンジだ!という気持ちでは絶対気持ちよく漕げません。また、誰かに勝とう!前に出よう!目標タイムを達成しよう!という意識で漕いでも気持ち良いレースは出来ませし結果もついてきません。

古代ハワイの人たちが海に出るときに必ず「PULE(お祈り)」を唱えます。このお祈りとは自然に感謝し、安全な航海を祈り、海に出ます。

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photo: Kure

僕の父がいつも海に出る前に日本語でこの唱えをするようになり、僕はいつも出る前にオーシャンアウトリガーカヌークラブのメンバーと唱えます。決して短い練習でも100km以上のVoyaging(航海)でも必ずお祈りはします。

そして僕はこのお祈りをSUPのレースの前も必ず唱えます。

「風、雲、太陽、星、月、空、大地、海、森羅万象生きとし生けるもの、地球上の全ての存在に感謝します。悲しみ。苦しみ。バランスを失った全ての命を癒し、愛します。僕と自分の板が一つになり、一漕ぎ一漕ぎ海と繋がり、調和し、無事航海を終えこの浜に戻って来れますように。今日一日私たちを照らし導いてください。」

レースに出るときは誰かを負かそう。勝とうとすると結果は残りません。特に熊野のような大きい海ではどれだけ自分が海の動きや流れに合わせ、調和できるかで気持ち良くレースができるかどうがが決まります。

 

今回のレースも大荒れで、来日していたモロカイチャンピオンのトラビスとのレース。トラビスとはカヌー時代から仲が良く、彼はこのように海が複雑に荒れると本当に世界一のパドラーだと思います。

そんな彼とレースする中、スタートから相手を意識せず、自分の漕ぎを意識しようと心がけました。15kmというレースなので新鹿湾から出るまでは6−7割で漕ぎ様子見。トラビスも様子を見て漕いでいる感じでした。自分の身体、板、海とコミュニケーションをとり、湾の外に出た時の為に備える。

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photo: Kure

新鹿湾から外に出ると海面が一変し、予想以上にパワフルな海に。ここに出てから集中力をより高め、スピードよりもどれだけ海と調和できるかを意識。地形とうねりのエネリギーを出来るだけ味方にし、使えるように崖や岩に近づきパドリング。トラビスとリードを交わしながらお互い海に合わせる。力み過ぎたら吹っ飛ばされるので主にリラックス。難しい海ですがうねりに合わせて漕いでいると気づいたら折り返し地点に到着していました。この時にはトラビスに15メートルほど前に出られました。

折り返しから最初の10分ー15分はトラビスに追いつき並んでパドリング。そして自分が前に少し出た瞬間ここまで意識していた「海との調和」を忘れ、「このまま前に出て勝ちたい」という気持ちが入ってしまいました。この気持ちが入った瞬間落水し、焦りが出て中々板の上に立って再スタート出来ずまたリズムを掴んだ時には150メートル程の差がついてしまいました。このまま差が縮まることも無く、2分差の2位でゴール。

さすがのトラビスは最後まで海と調和し、戦うこと無く漕いでいました。僕の心の中で「世界チャンピオンに勝てるかも」と思った瞬間全てが崩れてしまいました。まだまだ未熟だなと感じる結果となりました。

ただ、習得もあり自分に集中し漕げばこの海でも戦えると感じました。

本当に海は偉大。だからこそハードでも多くの人はこの海でレースすることに魅力を感じるんだと思います。

素晴らしい大会を開いてくれた主催者の皆様、本当にいい経験をありがとうございます。間違いなく海外の外洋レースに負けないレースだと思います。

残すは3週間後の全日本。体をリフレッシュし、挑みたいと思います!

Kenny

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photo: Aquila Noguchi

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IMG_1629photo: Aquila Noguchi

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